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「ROG Strix G16(2024)」レビュー。14世代Core i9にRTX 40シリーズ搭載のハイスペックゲーミングノート

ROG Flow + XG Mobileに迫る高性能

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ASUSは1月24日、CES 2024で発表したゲーミングノートPC「ROG Strix G16 G614」「ROG Strix G18 G814」の2024年モデルを国内発表しました。1月24 日に発売となります。

CPUにはIntel Core i9-14900HX、GPUにはGeForce RTX 4080 / 4070 / 4060 Laptopを搭載するハイスペックなゲーミングノートです。

今回、発売前のRTX 4060 Laptop搭載モデル「ROG Strix G16 G614JVR」をレビュー用にお借りしたので、同じく RTX 4060 Laptop搭載のROG Flow Z13と比べつつ、紹介したいと思います。

このレビューについて:ASUSからレビュー用にROG Strix G16 G614を借りましたが、ASUSは記事内容に関与しておらず、記事公開前の確認も行っていません。

CPUが第14世代になったROG Strix G16

ROG Strix G16は、16.0型 2560×1600ピクセルのTFT液晶「NEBULA DISPLAY」を搭載。リフレッシュレート240Hzで応答速度3ms、色域はDCI-P3に100%対応。ピーク輝度は500nits。この辺りは2023年モデルを踏襲しています。

▲ディスプレイ上部には92万画素のWebカメラを搭載

外観は2023年モデルからほぼ変わっておらず、本体サイズも幅354mm×奥行き264mm×高さ22.6~31mmで変更なし。

▲ゲーミングらしく、手前も光ります

ちなみに、重さは約2.5Kgとヘビー級。ACアダプタも280W出力で巨大なもの。モバイル用ではなく、完全にデスクノートです。

▲付属のACアダプタをiPhone 15 Proと比較

▲ACアダプタの出力は280W。上位のRTX 4080 Laptop搭載モデルには300Wのアダプタが付属します

インターフェースはThunderblot 4(Type-C)×1、USB3.2 Gen2(Type-C)×1、USB3.2 Gen2(Type-A)×2、HDMI×1、3.5mmオーディオジャック×1、RJ45(2.5G対応)。カードリーダーは非搭載です。

▲向かって右側面。USB3.2 Gen2(Type-A)が2つ

▲左側面には、左からDCジャック、RJ45、HDMI、Thunderblot 4、USB3.2 Gen2(Type-C)、3.5mmジャック

▲底面も吸気口がデザインされていてかっこいい

キーボードは日本語配列。キーピッチは19mm確保されていて、ノートPCにありがちな狭さは感じません。適度なクリック感もあり、打鍵感は良好です。

私がメインで使っているROG Flow X13よりも押し込みは少し固めな印象ですが、合成感が高めでこちらのほうが好みです。

大きめのタッチパッドが中央にあるので、ホームポジションに手を置くと、右の手のひらが干渉します。とはいえ、しっかりとパームリダクションが効いているようで、それで誤動作することはありませんでした。

▲キーボードは日本語配列。Enterの右にキーがあるのは苦手ですが、いまのところ、打ち間違えはありません

ところで、前モデルから何が変わったのかというと、大きくはCPUがIntel Core i9-14900HXになったということに尽きます。

2023年モデルはCore i9-13980HX(下位モデルはCore i7-13650HX)搭載で、8つのPコアと16個のEコアという構成はかわりませんが、第14世代のIntel Coreは「Intel Application Optimization(APO)」に対応。EコアとPコアの処理の振り分けを細かく制御し、パフォーマンスアップを実現するという機能です。

利用できるかはゲームタイトル次第ですが、サポートされるタイトルであればフレームレートが最大40%まで向上するとのことです。

ベンチマークで性能を確認

ここからはベンチマーク結果を確認してみましょう。ROG Strix G16は、付属のアプリ「Armoury Crate」でCPUやGPUの処理性能、ファンの速度などを設定可能。今回、すべてのベンチマークをデフォルトの「パフォーマンス」で行っています。GPUも負荷によってRTX 4060 Laptopに切り替わる「スタンダード」です。

▲付属アプリの「Armoury Crate」ではCPUやGPUのパフォーマンス設定を行えます

まずはCINEBENCH R23。Core i9-14900HXの実力なのか、マルチで「26747」、シングルで「1785」という結果になりました。

Core i9-13900HのROG Flow Z13は、マルチで「13721」、シングル「1971」でした。Core i9-14900HXのマルチが高スコアなのは、トータル24コア(Pコア8、Eコア16)とCore i9-13900Hの14コア(Pコア6、Eコア8)から大幅にコア数が増えているためでしょう。

▲CINEBENCH R23の結果

続いてPCの総合的な能力を測るPCMark 10ですが、トータルスコアは8000超えの「8229」。日常的な使い方の「Essentials」、オフィスアプリの「Productivity」、写真編集などの「Digital Content Creation」のすべてが1万を超えて超えており、ゲーミングだけではなく、オフィスユースでも問題なく使えるはずです。

▲PCMark 10の結果。「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」ともに1万を超えました

グラフィック性能を測る3DMarkについては、ROG Strix G16(RTX 4060 Laptop)とROG Flow Z13単体(RTX 4060 Laptop)、ROG Flow Z13にXG Mobile(RTX 4090 Laptop)を接続した状態を比較してみました。

▲3DMarkの結果。XG Mobileを接続したROG Flow Z13には及ばないものの高スコアを記録

Core i9-14900HXのAPOの効果なのか、メモリが32GBと倍増(比較しているROG Flow Z13は16GB)しているためなのか。さすがにXG Mobileを接続した状態には及びませんが、同じRTX 4060 Laptopを搭載していてもROG Strix G16のほうが数段スコアが高くなっています。

続いてベンチマークとしては負荷が高めなFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの結果です。設定としては解像度1920×1080のフルスクリーン。軽量品質、標準品質、高品質をROG Flow Z13と比較してみました。

▲FF15ベンチ。軽量品質ではXG Mobileを超えるスコアに

こちらも、ROG Strix G16は高スコア。高品質でも「10547(とても快適)」。標準品質で「14758(非常に快適)」、軽量品質「18440(非常に快適)」で、重いゲームでも問題なくプレイできるでしょう。

▲FF15ベンチマークは高品質でも「とても快適」

サイバーパンク2027のベンチマークでは、1920×1080ピクセル、レイトレーシング:中設定で、平均FPSは84.86。実際、かなり快適に遊べます。

▲サイバーパンク2027のベンチマークでは、「レイトレーシング:中」の1920×1080フルスクリーンで、平均は84.86FPS、最高で113.44FPS

これだけ高性能だと、発熱もすごいことになるのでは……と思っていましたが、そんなことはなく意外と低め。排気口のある中央部でも40度ほどでした。

もちろん、排気口に直接手をかざせば熱いですが、少なくともキーボード操作時に熱を感じることはなさそうです。

▲キーボード面の発熱は控えめ

代わりと言ってはなんですが、巨大なACアダプタはかなり発熱します。計った時には最高で55度ほど。置き場所には気を付けたほうがいいかもしれません。

▲ACアダプタの発熱は高め。冬時期に机上にあると、手を温めるのにちょうどいい……

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