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薄型軽量なプレミアムノート「Zenbook S 13 OLED UX5304」レビュー

持ち歩きにはピッタリ

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ASUSが、4月に一斉発表した2023年春夏モデルのノートPC。その中でもプレミアムシリーズで、フラッグシップモデルとなっているのが「Zenbook S 13 OLED UX5304」です。

2023年初夏モデルのコンセプトは「Less is More(少ないほど豊かである)」。「あらゆる無駄な部分をそぎ落としながらも、必要な部分や強みを最大限に引き出し、デザインや性能に反映させている」とのことで、Zenbook S 13 OLED UX5304はそんなコンセプトを体現している1台となっています。

Zenbook S 13 OLED UX5304シリーズには、Core i5-1335UとCore i7-1355Uの2モデル(製品としては、それぞれMicrosoft Office Home and Business 2021の有無で計4モデル)ありますが、今回レビュー用にお借りしたのはCore i7-1355Uモデルです。

約1Kgの軽量コンパクトなZenbook S 13 OLED

Zenbook S 13 OLEDのディスプレイは、13.3型 2880×1800ピクセルの有機ELを搭載。今年のASUSの有機ELは「ASUS Lumina OLED」と名称を変えており、DCI-P3 100%の色域サポートや、PANTONE認証やTUV Rheinland(テュフ ラインランド)の各種認定も受けています。ピーク輝度550nitで、Dolby Visionにも対応しています。なお、表面はグレアでタッチ操作には非対応です。

上部に207万画素の赤外線(IR)カメラを搭載。Windows Halloに対応しており、顔認証を利用できます。なお、指紋センサは非搭載です。

天板はASUSの「A」ロゴが大きくデザインされています。カラーは「バサルトグレー」。表面にはプラズマ電解酸化処理(PED)が施されており、マットな手触りで指紋が目立たないのが嬉しいポイントです。なお、耐摩耗性も向上しているとのこと。

ディスプレイを開くとキーボードが持ちあがる、リフトアップヒンジを採用。なお、ディスプレイは180°フラットになるまで開けます。

インターフェースは右側面にUSB 3.2(Type-A/Gen 2)と3.5mmジャック。左側面にThunderbolt 4 (Type-C) ×2、HDMIを備えます。最近はUSB-Cからの映像出力が増えていますが、フルのHDMIを搭載しているあたり、ビジネスシーンでの利用も想定している印象です。

キーボードは、キーピッチが約19mmと広く、打鍵感は良好です。電源ボタンがDeleteの横にありますが、間違えて押してしまうという配置ではありません。

なお、キーボードとタッチパッド、パームレスト部には特殊な銀イオンコーティングを施した「ASUSアンチバクテリアガード」を搭載しています。COVID-19を含むウイルス・細菌の増殖を24時間以上にわたり約99%以上抑制できるとのことです。

▲キートップは異なりますが、US配列とJIS配列の基板は共通化されているとのことなので、オプションでもいいのでUS配列を用意してほしいところ

Less is Moreを体現しているZenbook S 13 OLEDですが、重さは実測で約1.05Kg。厚みも10.9~12.3mmと薄くなっています。にもかかわらず、MIL 規格(MIL-STD 810H)に準拠したテストをクリアしており、高い堅牢性も備えています。

日常作業には十分もゲームはつらい

ここからはベンチマークで実力を確認してみます。ASUS製品ではおなじみですが、Zenbook S 13 OLEDもMyASUSアプリでファンモードの変更が可能です。パフォーマンスモードに設定すればフルパワーで利用できますが、電源接続が必要です。今回は、すべてデフォルトのスタンダードモードで計測しています。

まずCINEBENCH R23ですが、マルチコアで「4820pts」、シングルコアで「1002pts」。第13世代のCore i7を搭載するとはいえ、モバイル向けの1355Uなのでそこまで高いスコアではありません。

▲CINEBENCH R23

バッテリー持ちは十分

続いてPCの総合的な能力を測るPCMark 10ですが、トータルスコアは「5490」。ブラウザ利用やアプリの立ち上がりなど日常的な作業のスコアである「Essentials」、オフィス作業の「Productivity」はそこそこ高いスコアになっていますが、写真や動画編集を伴う「Digital Content Creation」が低めの結果となりました。

▲PCMARK10

そのグラフィック能力ですが、3DMarkの結果は下記の通り。比較としてCore i9-13900HのROG Flow Z13のスコアも並べています(RTXは使用せず、Iris Xe Graphicsの場合のスコア)。

▲3DMarkの各種スコア

ベンチマークとしては負荷が高めなFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの結果は、軽量品質で解像度1920×1080のフルスクリーン設定では「2432(重い)」、解像度を1280×720に落としたところ「3511(普通)」という結果になりました。ゲームを快適に遊べるとは言い難いですが、解像度や画質を落とすことで、ある程度のゲームはプレイできそうです。

▲FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク。低品質/1280 x 720/フルスクリーンでなんとか「普通」という結果

発熱に関しては、ベンチマーク中はキーボード中央付近が発熱し、最大で46℃ほどに。ここまでフルで酷使することはないと思いますが、キーボードに触っていてもかなり熱を感じます。

バッテリー持ちは十分

最後にバッテリー持ちの確認ですが、公称で約14.1時間(JEITAバッテリー動作時間測定法(Ver2.0))となっていますが、PCMark 10のバッテリーベンチマーク(Modern Office)では、10時間43分(画面輝度50%)という結果になりました。これだけで持てば、モバイルノートとしては十分でしょう。Thunderbolt 4 (Type-C) からモバイルバッテリーでの充電も可能です。

コストパフォーマンスも高いモバイルノート

モバイルノートとして、薄型軽量なのは非常に魅力。Core i7モデルなら、ゲームや動画編集を行わないのであればという条件付きですが、処理能力で不満を覚えることもなさそうです。

価格的にもCore i5モデルが15万9800円から、Core i7モデルは22万9800円からとなっており、スペックを考えるとコストパフォーマンスも高めです。

もし、気軽に持ち歩けるモバイルノートを探しているのであれば、「Zenbook S 13 OLED UX5304」はおすすめできる1台と言えます。