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WACOMのデジタル文房具、BAMBOO Slateはそろそろ日常使いが出来そうなレベルでした

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ワコム

iWireの企画でワコムの新製品 Bamboo Folio、Bamboo Slateの体験イベントに参加してきました。

手書きをデジタル化するBambooスマートパッド

Bammboo Folio/Slateはワコムが9月に発表した製品で、発売は10月31日の予定です。
ワコムではすでにBamboo Sparkという同種の製品を発売していますが、Folio/Slateは後継機ではなく、Sparkと合わせて「Bammbooスマートパッド」という製品群となります。

SparkがA5のバインダー型、FolioがA4のバインダー、SlateがA5とA4の2種でA5、A4のすべてがカバーされる形です。

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Bamboo Slateのレビュー

個人的な興味がスレートタイプなので、Bamboo Slateを中心にいじっていましたが、Folioのほうもバインダー型になっているという以外は同じ感じです。

A5(左)とA4のBamboo Slate。載っているのはiPhone 7。

A5(左)とA4のBamboo Slate。載っているのはiPhone 7。

Bamboo Folio。

Bamboo Folio。

A5のSlateは小さく薄く、そして軽いです。

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この手の製品としては、コクヨのCamiApp Sをはじめとして幾つかありますが、いずれも本体が重くて持ち歩くのが億劫になるという問題がありました。
しかし、すくなくともA5のSlateであればまったく苦にはならないだろうと感じます(重さは264g)。

メモパッドは背表紙を差し込む形です。
本体は電磁誘導方式なのでノートはなんでもよく、厚さ8cm程度までは利用可能とのこと。

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ペンのクリップも挿して置ける場所もあるので、ペンの持ち運びも困りません。

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なお、ペン自体には電源等はありませんが、コイルが入っている専用のものになっています。
ペン芯についてはノイズ等の影響を考慮した専用品ということなので、ジェットストリーム等に交換するのは避けたほうが良さそうです(使えるかもしれないけど)。

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ペン先はひねって出すタイプ。
胴体は三角形で握りやすかったです。

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充電はmicroUSB。
バッテリは連続稼働で約8時間とのこと。

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本体にあるボタンは1つだけ。
電源のON/OFFとページ送り(保存)のマルチファンクションになっています。

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背面は布地になっており、手触りもよくすっきりとした外観です。

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コンパニオンアプリはInkSpace。

Wacom Inkspace App

Wacom Inkspace App
開発元:Wacom
無料
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スマートフォンやタブレットがない状態でも、本体に最大100枚分のデータを記録でき、あとで同期することができます。
また、Bambooスマートパッドに書いたものをリアルタイムにアプリ側で確認することも可能です。

専用ペンと専用ノート、あるいは専用台と専用ペン

Bambooスマートパッドは、コクヨのCamiApp Sと同様にデジタイザ方式なので専用の台の上に紙を置き、デジタイザ用の専用ペンで筆記するという形です。
紙(ノート)はなんでもいいというのが特徴で、このためコストパフォーマンスはいいです。

手書きをデジタル化する方法としては、もう一つ、Moleskinのスマートライティングセットやライブスクライブペンのように、専用ノートにカメラ付きのペンで筆記するというタイプがあります。

Smart Writing Set

この方式のいいところは、専用ノートではありますが、比較的小さなノートとペンだけよく、かさばるスレートを持ち歩かなくてよいという点です。
ただし、専用ノートなのでランニングコストは高めです。

BambooスマートパッドMoleskin スマートライティングセット
使える紙は?紙はなんでもOK専用のノート、メモパッドが必要
台は必要?専用の台が必要台は不要
専用ペン?専用のペンが必要専用のペンが必要
ランニングコストは?安い(紙がなんでもいいので)高い(専用ノートなので)

どちらが優れているか?という点についてはそれぞれの使いかたもあるので一概には言えませんが、本体の機能以外に考える点として、デジタル化したデータの扱いがあります。

例えば、Bambooスマートパッドの場合、デジタル化したデータは専用アプリのInkSpace上で見る(活用する)というよりもいったんInkSpaceで受けたあと、Evernoteに送るなり、画像化して何かしらのファイルに貼りこむなりすると思います。
InkSpaceはあくまでも中継点という感じですね。
一度ページを保存してしまうと、そこに追記しても別のデータとして扱われてしまうというのもポイントです(アプリ上で結合することは可能です)。

Inkspace

これに対してMoleskinのスマートライティングセットの場合、専用アプリにノート単位で記録されるため、アプリ上で記録として完結します(もちろん、Evernote他への書き出しも対応しています)。

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また、ページの追記にも対応しており、紙のノートのデジタルコピーが存在するイメージです。

ちなみに、別の専用ノートに書くと、アプリ上でちゃんと別のノートして認識して記録されます。

BambooスマートパッドMoleskin スマートライティングセット
追記できる?不可。アプリ上から結合は可能可能
ノート単位で記録できる?不可。ページ単位可能(自動認識)
テキスト変換はできる?可能可能
ベクターでの書き出しは?可能可能

これらのことを踏まえると、Bambooスマートパッドはメモ書き的な使い方、Moleskinスマートライティングセットはノートとしてまとまった内容のものを書く使い方、という感じになりそうかな?
もちろんBambooスマートパッドがまとまった内容を書けないとか、Moleskinスマートライティングセットでメモ書きができないということではありませんけど。

ペンはBambooスマートパッドのものが圧倒的にコンパクト。

ペンはBambooスマートパッドのものが圧倒的にコンパクト。

Bambooスマートパッド、軽量で持ち運びも苦にならなそうだけど、必要な時にサッと取り出すという感じではないので、持ち運ぶよりも机上に置きっぱなし、あるいは自宅、職場など必要な場所に必要なだけ置いておくというイメージですね。
A6サイズとが出来ればまた違ってくるのだろうけど、CamiApp Sはデジタイザの歩留まりの問題でA6サイズは見送ったと聞いたことがあります(小さいデジタイザは需要が少ないので高い)。

複写紙の代わりに使えるかも

それにしてもBamboo SlateにしてもFolioにしても本当に薄く軽くなっていました。
一般的なバインダーと大差がないレベルです。

現場で使う報告書のフォーマットとかあると面白そうですね。
その場で手書きして、紙はお客さんに渡して、会社にはデジタルデータが残るという感じで。
従来の複写式の紙の代わりになりそうです。

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