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濡れタオルで消して繰り返し使える不思議なノート「Rocketbook Everlast」。クラウド連携も可能なノートの進化系

インクの乾きがもう少し早くなれば……

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最近はフリクションボールなどを使い、その気になればノートを繰り返し利用することができますが、流石にいっぱい書かれたものを全部消すのは面倒(ノートを電子レンジに入れるという裏技もありますが、燃えることがあるのでお勧めしません)。

しかしそんな苦労をしなくても、濡れたタオルやウェットティッシュで擦るだけで書いたものを消すことができ、繰り返し利用できるノート「Rocketbook Everlast」が9月から販売開始されています。

そのEverlastをレビュー用に提供頂いたので、さっそく紹介したいと思います。

クラウドファンディング生まれのRocketbook

EverlastはRocketbookの2つ目の製品。2015年に発売された1つ目のRocketbook Waveは、先に書いた例のようにフリクションボールペンを使い、電子レンジで書いたものをすべて消せるノートでした。もちろんそれだけではなく、スマートフォンで撮影することで各種クラウドサービスに画像を簡単にアップできる連携機能も備えます。

Rocketbook Waveは便利とはいえ、電子レンジを使わなければ行けないのが難点。出先でページが足りなくなったから初めのほうを少しだけ消して……なんて使い方もできません。

そこで、2つ目の製品となるEverlastが登場します。電子レンジを使う代わりに濡れタオルやウェットティッシュでこするだけで消すことが出来るようになったEverlastは、Kickstarterで約2億円以上、indiegogoでも$2,760,000(約30億円)以上を集め大成功となったほか、日本でもMakuakeを通じて500万円以上を集めるなど注目が集まっています。

紙のようだけど紙じゃない

Everlastは、ほぼA4のノートサイズとほぼA5の手帳サイズの2種類。

▲ノートサイズ(左)と手帳サイズ(右)

「ほぼ」と付けましたが、それぞれ微妙にサイズが違います。

▲ノートサイズはA4よりも縦がわずかに短く(左)、手帳サイズはA5よりも縦がわずかに長い(右)。どちらも下にある白いのがA4用紙

中身はどちらも同じドット印刷。ノートサイズが16枚32ページ、手帳サイズが18枚36ページです。

ちなみにドットの間隔は4mm。

一見紙のように見えますが、紙ではなく合成ポリエステルで出来ています。例えがおかしいかもしれませんが、上質なリーフレットみたいな感じです。

▲手触りはかなりツルツル。

使用するペンはフリクションボールペン

Everlastにはペンが1本付属していますが、市販されているフリクションボールペンです。

▲付属しているのは0.7mmの黒

フリクションなので後ろのゴム部分でこすって消すことも可能。

ただ、ページいっぱいに書いていたりすると、ペンでこすって消すのは大変です。しかし、Everlastは濡れタオルやウェットティッシュで簡単に消すことができます。

もちろん、乾いた布などでこすっても消えません。

ただ、紙質(というか合成ポリエステル)のため、インクが乾くまでに10秒~30秒ほど時間がかかります。乾く前に擦ってしまうと確実にかすれます。

付属のペンが0.7mmだったので、試しに0.5mmのフリクションで書いてみましたが、こちらのほうが乾きは早い印象です。

フリクションボールペンには、さらに細い0.38mmもラインナップされており、これのほうがさらに乾きは早いです。ただし、アプリで撮影する際に少々不都合な点もあるので、乾きを気にするなら0.5mmがベストかもしれません(後述)。

書いた内容はアプリで撮影しクラウド連携

ノートに書いた内容は、専用アプリを使用して各種クラウドサービスに送ることが出来ます。

Rocketbook App

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無料
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Everlastのページ下部には幾つかのアイコンが並んでおり、ここにチェックを入れると、アプリで撮影時に決まったクラウドサービスにファイルを送ることができます。

同じアイコンがアプリ上にあり、どのアイコンの場合にどのサービスに連携するか、PDFにするかJpegにするかなど細かく指定が可能です。

▲連携するサービス毎にファイル形式を指定できます

用意されているクラウドサービスだけでなく、撮影後に好きなサービスに送ることもできます。

▲撮影はアプリのカメラからでページを捉えるだけで自動認識。シャッターを切ることなく取り込めます。

細い線は読み取れないことも

取り込んだ画像ですが、線が粗く(細く)なることがあります。コントラストがはっきりしない部分(インクが薄い部分)を取り込めていない感じですね。

▲実際の記載内容。

▲取り込んだ画像。

このため、ペンは細くても0.5mmまでにとどめるのが良さそうです。

ノート以外の使い道もありそう

フリクションで書いたものだけが消せるので、例えば罫線やチェックボックスなどを油性マジックで書いておき、繰り返し利用できるタスクリストや子供用の日々のやることリスト、出かける際の持ち物リストなどにも使えそうです。

▲こんなイメージ

もちろん普通のノートとして繰り返し利用することもでき、アイデア次第でいろいろと使い道はありそうです。

難点を挙げるとするならその価格。どちらのサイズも4980円。「ちょっと試してみよう」という価格ではありませんね。

ただ、約1000回使えるのとことで、例えば手帳サイズ18枚36ページを各1000回で3万6000ページ分。一般的なノートが30枚60ページで約100円とすれば、約600冊(6万円)分の価値があるとも言えなくもないです。

競合製品には、ノート型のホワイトボードなどもありますが、フリクションボールペンが使えて、指でこすっても消えず、そして簡単に消すことも出来る点ではEverlastのほうがノートとしての使い勝手は優れているように思います。

これのA6サイズとかメモ帳サイズがあると面白いかもしれませんね。