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映画「聲の形」は想いを伝えることの大切さ、コミュニケーションの難しさを考えさせれる作品でした

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theshapeofvoice

9月17日から公開が始まった映画「聲の形」を観てきました。
最近の映画館でずっと予告が流れていて気になっていたのですよね。

原作マンガ全7巻を129分に圧縮

原作はマンガですが、それは未読。
内容的にも連載前の読み切りで話題になっていてヒロインに聴覚障害があるというのを知っている程度でほぼ予備知識がない状態での視聴でした。

原作の途中までを描いたものだと思っていたのですが、視聴後にAmazonで原作コミックのあらすじを確認したら、全7巻の内容を1本の映画に圧縮したものみたいですね。
本編が129分と2時間越えなのも納得です。

イジメや障害、信頼、絆

ストーリーとしては、小学6年生のときにヒロイン「西宮硝子」をイジメていた主人公「石田将也」が、ある出来事をきっかけに周囲から孤立。
人間不信(というか重度のコミュ障?)に陥りながら高校生になり、ある想いを秘めて硝子に再開、そこから始まるストーリー、という感じです。

これだけみると、他愛もないラブストーリーが展開されるような予感しかありませんが、そんな甘い話でもありませんでした。
登場キャラクター1人1人、それぞれが伝えたい気持ちをもっており、でもうまく伝えられず苦悩している。
それでも過去と折り合いをつけながら、不器用ながらも少しずつ前に進んでいくという内容です。
ラブストーリーというより「将也」の成長物語という側面が強いですね。

「イジメ」や「聴覚障害」といった重めのテーマを扱ってはいますが、そこにフィーチャーすることなく、でも決して軽く扱っているわけでもない、絶妙なバランスで描かれています。
実際にいじめられていた(いる)人が観ると「そんな綺麗ごとじゃない!」という感想を持つのかもしれませんが・・・。

中高生なら感情移入ができるのかも

129分と長い映画ではありますが、登場人物1人1人の心情の変化というのは丁寧に描かれていたと思います。
それでも、「なんで?」と思う場面もありました。

PVにある「え、月?」の場面が最たるもので、かなり唐突だった気がします。
そこにある微妙な心情の変化を読み取れないのは、単に歳のせいなのかもしれないけど・・・。

そして全体的な感想ですが、「感情が揺さぶられるような、感動する映画ではないかな」というもの。
これは、登場人物に感情移入ができなかったというのが大きいと思うので、キャラクターと同年代の中高生やその年代の子供を持つ人なら違うのかもしれません。

「君の名は。」も登場人物は高校生ですが、あちらは必死さや前向きさというのが伝わってきて、自然と感情移入ができたのですが、「聲の形」にはそれをほとんど感じませんでした。

全体に淡々と描かれているのも原因かもしれませんが、製作の意図的にも、感動よりも「コミュニケーションの難しさ」「気持ちを伝えるということ」を考えてもらおうというものがあったのではないかと感じます。
まったくの的外れかもしれないけど。

とりあえず、原作を読んでから、もう一度観てみようかな。

ところで、一番驚いたのは硝子の母親が同い年だったこと。
そうかぁ、もうそういう歳なのか・・・。

入場者特典は書下ろしのマンガでした。

入場者特典は書下ろしのマンガでした。

映画「聲の形」公式サイト