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モータースポーツ好きなら気になる? ピーアップのMode1 RSはあえてニッチに進んだ意欲作

この方向でもう2~3世代進むと面白い端末になってそう

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以前に軽く紹介したもののちゃんとレビューしていなかったピーアップの新端末「Mode1 RS」。11月11日に発売開始となったので、あらためてレビューをしたいと思います。

レーシングスポーツをイメージした端末

ピーアップはもともと携帯事業のほかにバイクのパーツ販売などモータースポーツ事業も手掛けている企業です。社長がそもそもモータースポーツ好きとのことで、今回のMode1 RSはレーシングスポーツ(RS)をイメージした端末となっています。

端から万人受けする端末を狙っているわけではなく、モータースポーツ好きなど「刺さる人にだけ刺さればいい」というコンセプト。

「最盛期(1986年)には386万台の出荷があったオートバイも2016年には36万台と10分の1になった。バイクショップも減ってしまったが残っているのは、自社でカスタマイズを行うなど尖ったコンセプトを持っているところ」と社長が語っていましたが、その考えをスマートフォンにも持ち込もうとしているようです。

外観

Mode1 RSは5インチ 1280×720のスマートフォン。最近の端末ではコンパクトな部類です。

背面はカーボン調仕上げで、金属フレームと合わせてレースマシーンをイメージしているとのこと。

背面カバーは取り外しが可能。標準カバーはあくまでも「カーボン調」ですが、本物のカーボンを使ったオプションも発売されるとのこと。ただし、足立区の高齢な職人さんが1人で手作りするとのことで、月産2枚程度になるそうです。

ちなみにバッテリーの交換は不可。SIMスロットとmicroSDスロットはカバーを外した内部にあります。

インターフェースはmicroUSB。上部に3.5mmジャックもあります。

こだわりのレース仕様

モータースポーツを意識しているのは外観だけではなく、その中身にもこだわりが見られます。

まずは壁紙。テールランプをイメージしたというオリジナルの壁紙が3種類。これは本体カラー(Black、Red、White)に合わせたもの。

そしてそこまでやるかというのが着信音。本当に需要があるのか気になるところですが、エンジン音など13種類のオリジナル着信音が収録されています。

人混みでこんな着信が流れたら注目間違いなし。ひょっとすると同好の士が見つかるかもしれません……。

スペックはローミドル

肝心のスペックはMediaTek MT6737TにRAM3GBでローミドルといったところ。レーシングスポーツをうたうならもう少し尖っても良かった気がしますが、価格設定的にもこの辺りが無難、あるいはこれで様子見といったところでしょうか。

自社端末とはいえ、端末そのものは中国のODMメーカーにお任せの部分が大きいので、あまり尖った仕様にはできず、その分、中身で差別化という事情もありそうです。

仕様Mode1 RS
ディスプレイ5インチ
解像度1280×720
SoCMediaTek MT6737T QuadCore 1.5GHz
RAM3GB
ストレージ32GB + microSD
バッテリ3,000mAh(一体型)
Bluetooth4.1
WiFi802.11 b/g/n 2.4GHz
LTE1/3/8/19/26/41
au VoLTE対応
価格22,800円(税抜)

auVoLTEに対応しているのはポイントですね。

ベンチマーク

ベンチマーク結果は下記の通り。比較対象として、Snapdragon 410のTONE m17、Snapdragon 625のZenFone 3と併記します。

機種名RAMQuadrantAnTuTuGeekBench
シングル
GeekBench
マルチ
3DMark
(SSE)
Mode1 RS3GB19753303696351290動作せず
TONE m172GB945527606495132353
ZenFone 3(ZE520KL)3GB38068574398273986464

結果をみると、Snapdragon 410以上、Snapdragon 625未満といったところです。なお、3DMarkはエラーで起動しませんでした。

良くも悪くも刺さる人にしか刺さらない端末

2万2800円という価格を考えれば、悪くない気もしますが、あえてこの端末を選ぶ理由もないかなというのが個人的な正直な印象です。ただ、モータースポーツ好きな人には着信音など「おっ?」と思わせるものがあるのでしょうし、実際そういう人をターゲットにしている端末です。

これが単に量販店で並んでるだけならかなり厳しいと言わざるを得ないのですが、モータースポーツ誌に広告を出したり、カー用品店での露出も考えているとのこと。であれば、先に書いたようにターゲット層に「おっ?」っと思わせる可能性も高く、そう思わせたら勝ちでしょう。

大ヒットする端末ではありませんが、ニッチなところでは受け入れられて、いく端末かもしれません。