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AI関連の基礎用語を一気に学べる入門書「キーワードで読み解く人工知能」

AIに人権を認めるか否か

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2045年には、AIが自身を改修出来るようになるシンギュラリティ(技術的特異点)を迎え、人間の知性を超えるとの予測があります。ようするに、AIが自分よりもわずかでも優れたAIを生み出せるようになると、あとは雪だるま式に性能が向上していくという話です。

そんな時代がすぐ目の前に迫ってきている中、AI絡みでよく聞く機械学習やディープラーニング、そしてAIの普及によってどんなことが起こるのかが解説された「キーワードで読み解く人工知能 『AIの遺電子』から見える未来の世界」が発売されました。

AIの遺電子から読み解くAIのキーワード

「AIの遺電子」は、AIが発達した近未来、ロボットやヒューマノイドなどAIの持つ問題を治療する医師を通じ、AIとの共存はどうあるべきなのかを考えさせられるSF作品。第21回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で優秀賞も受賞しています。

本書は、AIの遺電子に登場する設定やキャラクターを交えつつ、AI関連の用語を分かりやすく解説するのがメインです。人工知能について、その仕組みを解説するようなものではありません。

本の帯にもありますが、一般・ビジネス教養としてAIの話題を知るための本といった感じです。

Amazonで公開されているキーワードは下記のようなもの。

  • 人工知能の歴史
  • シンギュラリティ
  • 機械学習
  • ディープラーニング
  • AIには「まだ」できないこと
  • ロボットとAI
  • 産業AI
  • 自動運転技術
  • AIに奪われる仕事
  • AIに自我はあるのか?
  • 人間のもつ感覚の再現
  • AIの「命」と「死」
  • AIと恋に落ちるか
  • ベーシックインカム
  • AIの危険性や懸念点、など

AI関連でよくある技術書とは違い、分かりやすくかみ砕いた表現が使われています。また、AIの遺電子の話もうまく使われているので、同作を読んでいる人のほうが、理解がはかどるかもしれません。このせいなのかもしれませんが、全体的に専門書というより、IT系WEBメディアのコラムのような雰囲気があります(著者の1人、松尾公也さんはITMediaの人でもあります)。

また、4月に発表されたMITのAlterEgoや、ソフトバンクが買収したBoston Dynamics、量産タイプも発売された俺の嫁召喚装置GateBoxに触れているあたりもWEBメディアっぽさを増加せています。

しかし、スーパーコンピューターやGPUを使ったディープランニングは解説されているものの、量子コンピューターによる機械学習など、これからの技術に触れられていなかったのがやや残念。もっとも、量子コンピューターはまだこれからの技術ではあるので、その意味でも、まさに「AIにまつわる今」を解説している本とも言えそうです。

なんにしろ、AIや機械学習など、なんとなく単語は見たり聞いたりしてはいるものの、どういったことなのかはよくわからないという人にとっては、最適な入門書ではないかと思います。

ギガ盛りブログ飯の参加特典で献本頂きました

本書はオンラインサイト「ギガ盛りブログ飯」の参加者特典と献本して頂きました。

1ヵ月に3冊程度までさまざまな書籍が読める(要アウトプット)ので、それだけでも十分に元が取れるのではないかと思います。

なお、入会時に紹介者として私の名前を入れてもらうと、1か月分の会費が無料になるそうです。