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昨年4月に全作品をDRMフリー化した英出版社のTor、「この1年で著作権侵害は増えていない」と発表

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昨年4月25日にすべての電子書籍をDRMフリーとして提供すると発表したSF・ファンタジー作品の英語圏での最大手であるTor。DRMフリー化にあたり各所から反発もあったとのことですが、DRMフリー化したこの1年で同社の作品に対する著作権侵害は目に見えては増加していないと発表しました。

現在の電子書籍は各ストアがそれぞれDRMをかけており、自社端末や専用ソフトを使わないと読むことができません。Torは読者のみならず著者からもDRMフリー化の要望があったとして昨年、DRMフリーに踏み切りました。この動きはピーター·F·ハミルトンなど著名な作者からも歓迎された一方で、同業他社からは著作者に対して「Torでは著作権を守るのは難しい(のであそこからは出すな)」という圧力もあったとのこと。

売上については触れられていませんが、著作権侵害は認められなかったと言い切るぐらいなので目に見えた減少はしていないのでしょう。これはTorがSF・ファンタジー作品が多い(マニア性が強い)レーベルだからという可能性もありますが、DRMフリーになっても読者は適切に本を購入していると言えそうです。違法コピーなどは0だとは思いませんが、それ以上にどの端末でも読めるという利便性が購買意識を支えている可能性もありますね(特定の端末でしか読めないのなら、買うまでもないな……という意識は少なからずあると思います。私にはあります)。

この結果を受けて各社のDRMフリー化が進むかというと当然そんなことはないと思いますが、DRMはあってもいいので各社のストアで購入した書籍をどの端末でも読めるようにはして欲しいです。

(source Tor.com)