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ヒッグス粒子が発見されたかもしれないらしい

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ATLAS

7月4日、CERN(the European Organization for Nuclear Research)はLHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器 大きさは全周27km、山手線とほぼ同じ)での実験で、99.99998%の確率でヒッグス粒子とみられる新素粒子を発見したと発表しました。

と言われたところでヒッグス粒子を知らない普通の人には「なんだか凄そうだけどいまいちわからない」というのが本音でしょう。

私も詳しいわけではないのですが、めちゃくちゃかいつまんで説明するとヒッグス粒子というのは50年近く前に提唱された、「物体にはなぜ質量(重さ)があるのか?」ということを説明するヒッグス場理論というのに登場する仮想の素粒子で、ヒッグス場理論が正しいのならヒッグス粒子も存在するはずだと言われてきました。そして現状ではヒッグス場理論は正しいというコンセンサスを得ており、素粒子物理学の標準理論に組み込まれています。要するに、ヒッグス粒子はあるはず、もし無いことが証明されたら素粒子物理学はやり直しという重要なファクターだったわけです。

で、存在するはずなんだけど存在が証明できなかったのにもわけがあり、今回の実験で使用されたLHCでも10兆回に1回しか生成されないというコンプガチャなんて目じゃないほどのレアな存在だったのです。

そんなヒッグス粒子が今回観測できたかもしれないというのが今回のニュース。ところで、ニュースなどでは「神の粒子(god particle)」と紹介されることが多いですが、これは「The God Particle」という本のタイトルが元になっています。もともと著者はヒッグス粒子を「goddamn particle(いまいましい粒子)」として紹介するつもりだったようですけども。

今回の発見のニュースを受けて、「重力制御が〜」とか「反重力装置の開発が〜」とかいう意見もネットで散見されますが、「あるはずのものが観測された」「なきゃ困るものがやっぱりあった」という点で意味があるのであって、物理学を次のステージに推し進めるような意味合いのものではない気がするのだけどどうなんだろう?

ちなみに写真はLHCの一部であるアトラス検出器。地下100mにあるそうです。真ん中に人が立ってるのわかります?

(via ウォール・ストリート・ジャーナル)