Kickstarterやindiegogo、いまさら聞けないクラウドファンディングの魅力と注意点

2016.4.3 (更新日:2016.07.21)
クラウドファンディング

このブログでもちょくちょく話題にしますが、最近はKickstarterをはじめとするクラウドファンディングから生まれるヒット商品も少なくありません。ただ、気になっているものの良くわからないので手を出しにくいと感じている人もいるかもしれません。ここではそんなクラウドファンディングの中でも比較的メジャーなKickstarterやindiegogo、日本のMakuakeやkibidangoについて簡単に説明したいと思います。

成功報酬と商品予約

本来、クラウドファンディングは「開発するために」、「量産をするために」など何かをするための資金調達を行うためのサービスです。純粋に見返りを求めない、見返りが提供されない「寄付」という型もありますが、多くの場合、見返りとして開発する製品などが提供されています。

このクラウドファンディングで資金募集を行うことを各サービス上では「キャンペーン」あるいは「プロジェクト」と呼んでいます。

PebbleもKickstarterから誕生しました。

PebbleもKickstarterから誕生しました。

Kickstarterとそれ以外のサービスの大きな違い

この見返りについて、主なところではKickstarterとそれ以外で大きく扱いが異なる点があります。それは、商品予約を認めているかどうかです。

どういうことかというと、indiegogoなどのKickstarter以外のサービスでは、すでに完成した製品を量産するための資金調達として使われることがあります。ようするに商品予約、Pre-Order的な使い方です。

これに対して、Kickstarterでは完成している製品の量産資金調達のための使い方を禁止しています。

目標額が集まらなかった場合(キャンペーン失敗)

気になるキャンペーンがあり、それに出資したとして、残念ながら目標額が集まらずにキャンペーンが失敗してしまった場合はどうなるのでしょうか? これも各サービスにより違いがあります。

それぞれのサービスについて支払いのタイミングとキャンペーン失敗時の対応については下記のようになっています。また、ついでの各サービスの特徴も記載してみました。

Kickstarter

まずKickstarterですが、出資したとしてもキャンペーンが成功して終了するまでは、実際の請求は行われません。このため、失敗で終了した場合にはとくに支払いなども発生しません。また、キャンペーン終了までは自由に出資をキャンセルすることができます。

おそらく登録がもっとも難しいクラウドファンディングです。キャンペーン開始後も技術的に達成できそうになかったりする場合などにキャンペーンが中止されることもあります。

indiegogo

indiegogoの場合、出資したタイミングですぐに支払いが行われます。ただ、キャンペーン終了までは基本的にはサイト上から返金要求が可能です。そしてキャンペーンが失敗に終わった場合ですが、Kickstarterと違い返金はありません。

indiegogoのキャンペーンには目標額が固定で設定した目標に達しなかった場合には全額出資者に返金される「Fixed Funding」と、返金が行われずキャンペーンが失敗したとしても集めたお金が主催者側に送られる「Flexible Funding」という2つがあります。なのですが、ほぼすべてのキャンペーンがFlexible Fundingになっているので、返金はないと思ったほうがいいです。ただ、Flexible Fundingの場合はキャンペーンが失敗したとしても出資者側には見返りを受け取る権利は残ったままなので、運が良ければ物を手にすることは可能です。

登録基準が緩いのかどうかは不明ですが、Kickstarterで中止になったものがindiegogoで再開されたりすることもあります。

Makuake

Makuakeもindiegogoと同じタイプで、「達成後支援型の場合(all or nothing)」と「即時支援型の場合(all in)」の2つがあります。前者の場合、キャンペーン(Makuakeではプロジェクトですが)終了までは決済が行われず、キャンペーンが失敗の場合にも支払いは行われません。後者は支援後すぐに決済が行われ、キャンペーン失敗時にも返金はありません。この場合もindiegogoと同様に見返りを受け取る権利は発生しています。

あまり利用したことはないのですが、製品予約的な使われ方が多いようです。また、海外のクラウドファンディングでキャンペーンを行っている(行った)ものを日本向けにはMakuakeで行うということもあります、

kibidango

kibidangoはKickstarter型で、キャンペーンが終了するまでは決済が行われず、キャンペーン失敗時も支払いは発生しません。支援のキャンセルについてはメールでの対応になり、キャンペーン終了の2営業日前までなら対応可能とのこと。このあたり、ちょっとアナログですね。また、「そのキャンセルによって目標額をクリアしていたものが目標を下回る場合」にはキャンセルができないとのことです。

製品よりも「何かをする」ための資金調達という使われ方が多そうなのですが、普通に製品開発のための資金調達としても使われています。面白いところでは、キャンペーン開始まえだけど「こんなことを企画しています」という「プロジェクトの種」というページがあります。

そのほかのクラウドファンディング

ここで紹介した以外にも、ソニーの社内ベンチャー向けクラウドファンディング「First Flight」やSoftBankが始めた「+Style」など、あたらしいサービスも続々誕生しています。

必ず形になるとは限らない

普通のネットショッピングであれば多少の遅れがあったとしてもまず出荷はされると思いますが、クラウドファンディングの場合、キャンペーンが成功したとしても必ず見返りの品(製品)が届くとは限りません。

クラウドファンディングはあくまでも支援・出資であり、製品購入の場ではありません。性質的にまだ影も形もないものにお金を支払っていることになるので、最悪の場合は結局製品化できずに資金が尽きて終了してしまうこともあります。最近だと、OwnPhonesがこのパターンで、キャンペーンは成功したものの資金ショートでとん挫しています。

出荷予定は遅れるのが普通

これもクラウドファンディングの特徴ですが、人気が出て目標額を大幅に上回る金額が集まった(想定以上の注文が入った)場合など、出荷予定が大きくずれ込むことがあります。Makuake、Kibidangoなどの日本のサイトではどうなのかわかりませんが、Kickstarterやindiegogoでは1か月~2か月というレベルではなく1年近く遅延することもザラです。

逆に予定通りに出荷されること自体が稀まれなので、気長に待つ姿勢が大事です。左右もワイヤレスなBluetoothヘッドセット The Dashは1年4か月遅れで出荷されました。

左右完全ワイヤレスで通話もできて歩数や心拍数も測れる多機能なスマートイヤホン、The Dashがやってきた

クラウドファンディング発の製品

若干ネガティブなことも書きましたが、多くのものはちゃんと形になりリリースされています。ここでは、実際にクラウドファンディングで生まれた製品にはどのようなものがあるのか、いくつかをピックアップしてみました。

E-Inkスマートウォッチ Pebble

Pebble: E-Paper Watch for iPhone and Android

PebbleはKickstarterで $10,266,845(約11.5億円)を集めたE-Inkを利用したスマートウォッチ。その後市販され、カラーE-INkを採用したPebble Timeなどいくつかのバリエーションがリリースされています。

VRヘッドセット Oculus Rift

Oculus Rift: Step Into the Game

いよいよ出荷が開始されたVRヘッドセット Oculus Riftも2012年にKickstarterでキャンペーンが行われていました。実際には市販前の開発者キットが見返りとして提供されていたのですが、このキャンペーンの出資者には製品版のOculus Riftが無償提供されると発表がありました。

クラウドをOSレベルで利用するスマートフォン Robin

Robin. The smarter smartphone.

ストレージとしてクラウドを積極的に利用し、スマートフォンの容量不足を解消するというコンセプトのスマートフォン。Softbankが開設した「+Style」で扱われることも明らかになりました。

左右もワイヤレスなBluetoothヘッドホン Earin

Earin – The Worlds Smallest Wireless Earbuds

左右も完全にワイヤレスとなったBluetoothヘッドホンのEarinもKickstarter出身です。その後、The Dashなど同様に左右ワイヤレスなヘッドホン、ヘッドセットが増えてきています。

NFC通信でボタンを追加できるDIMPLE

NFCを利用し、端末に物理ボタンを追加するDIMPLEはindiegogo出身です。もう少し盛り上がるかと思ったのですが、その後は鳴かず飛ばずという感じですね。

クラウドファンディングの魅力

これまで書いた通り、それなりにリスクもあるクラウドファンディングへの出資ですが、それでも新しい技術、新しい製品をいち早く入手できる(かもしれない)というところに魅力を感じています。また、市販されるときの価格よりも出資額のほうが安かったりするのもメリットです。

もちろん、純粋に応援したいという気持ちで出資するものもあるのですが、いまのところ物欲のほうが勝ってますね。

そんなわけで、もしクラウドファンディングで気になるものを見つけ、その製品がイケそうだと感じたらぜひ出資してみてください(もちろん自己責任で!)。

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